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07年2月14日号
meister

【マイスター】
専門家、大家のこと。”その道”で成功をおさめ、活躍中の人をルーキーでは勝手に「マイスター」と呼ばせてもらって、彼らがそこまでに至った道のりやエピソード、その職業へ就く方法などを語ってもらいました!!

沖縄は余暇を過ごす場所が近くて
手軽に遊びに行けるところがとても魅力的ですね

廣川健太郎さん

ひろかわけんたろうさん
廣川健太郎さん

●プロフィール
1960年2月生まれ、東京都出身。
慶応大学経済学部を卒業後、KDDに入社。夏冬の縦走、アルパインやアイスルートのほか、沢や藪漕ぎなど、30年以上オールラウンドに登り続け、アイスクライミングでは初登記録多数。海外はネパールヒマラヤのダウラギリU峰、アラスカ・マッキンリーなどの登頂、北米でのアイスクライミング、ヨセミテ、韓国など世界各国へ遠征している。

 国内有数の登山家として知られる廣川さんの登山歴は30年以上になる。学生時代から、山に関する本を十数冊書き、また山の雑誌に記事を書いたりしている。 転勤で2年前から沖縄で暮らし始め、亜熱帯での登山や沢登り、琉球石灰岩の岩を登るボルダリング、西表島の縦走などオールラウンドに活動を続けている。

高校生の時から
大人の世界に飛び込む
 廣川さんが山登りを始めたきっかけは、テレビで山を歩く姿を見て、自然の中を歩くのはいいな、と思ったことだった。高校へ入ると山岳部に所属。しかし、山の雑誌でヒマラヤやヨーロッパや雪の世界を見るうち、岩肌を登るロッククライミングの世界に強く心をひかれた。高校の山岳部から大学の山岳部へ進んで活動していたら、大学生の間にとてもそういうところへ行けないと思った。それで、高校2年の秋には社会人の山岳会へ移り、本格的なクライミングを始めた。学校では、体を鍛えるためボクシング部に入った。付属高校で受験勉強がなかったので、長い休みは床掃除や窓拭きなど、体を使うアルバイトをして、山の道具を買うお金を貯めた。そして、大学へ入ると、よりレベルの高い社会人の山岳会に移った。
  JECC(日本エキスパートクライマーズクラブ)という、ヒマラヤ遠征や、国内でも難しい山に登る人が多い社会人のクラブだった。そして、大学2年の夏には、ヒマラヤ遠征に参加する機会を得た。
  1979年、ネパールヒマラヤのダウラギリU峰登頂、1981年、アラスカ・マッキンリー登頂。
  卒業すると登山関係の仕事ではなく、普通の社会人としてKDDIの前身の一つであるKDDに入社。結婚、3人の子育て、マイホーム購入、会社合併、遠距離通勤、実家への引越しなど、様々な生活の変化の中、ハイキングから夏冬の縦走、アルパインルート、氷瀑、雪稜、谷の遡行など、オールラウンドに山登りを続けていった。就職後に、一度だけ長期休暇をとって、有名なカンチェンジュンガに遠征したこともある。
氷雪のスペシャリスト
亜熱帯・沖縄へ

 2年前の3月。廣川さんは転勤で沖縄へやって来た。買収先企業に赴任、妻と三人の子供を残し、単身で沖縄での生活を始めた。
「チャレンジ! アイスクライミング 氷の世界へ」など、雪山関係の本を多数書いている廣川さんにとって、氷雪の世界からまったく正反対の亜熱帯での生活が始まった。
  廣川さんは沖縄山岳会に入ると、沖縄の山について情報収集を始めた。沖縄市にある「やまあっちゃ」という沖縄初のクライミングジムや、浦添の「Coral Rock」というクライミングジムへ通い、沖縄のクライミングポイントを学んでいった。
  廣川さんの東京の自宅には、70 gの壁面にクライミング練習用のパネルが設置されている。沖縄では、海岸にある侵食された琉球石灰岩の岩場で、ボルダリングをよくやるようになった。ボルダリングとはロープを使わずに3mから5mぐらいの岩を登ることだ。また、ボルダリングのほかに、ロープを使って高さ20mぐらいの岩肌を登ったりする。北部の辺戸岬や残波岬、真栄田岬などに代表的なポイントがある。岩を登る魅力は、自分の能力ぎりぎりぐらいのところを登り、限界を押し広げるのがよろこびのひとつ。また、川に沿って歩く沢登りや、西表島縦断など、休みの日の多くを山や海岸近くの岩場で過ごしている。
「沖縄では山登りをする人が少ないし、ロープをつけるクライミングをやっている人は15人ぐらいです。だから、自分でルートを開拓できる楽しみがあります。また、休みの日に出勤した時でも、仕事を終えて車で30分も走ると、南部の具志頭など数時間でも余暇を過ごせる場所が近くにあります。遊びに行くフィールドが近く、とてもリフレッシュしやすい環境だと思います」
  沖縄ならではの出来事としては、最初に行った比地川でヒメハブ含め、蛇を三匹見てドキドキしたこと。今では、川を歩くと一日に五匹ぐらい見たりもするが、全然びっくりしなくなってきた。

会社人として 登山家として

 那覇軍港に隣接した沖縄フリーゾーン。大手コールセンターの1KDDIエボルバ沖縄が、会社人としての廣川さんの仕事場だ。「エボルバ」とは、エボリューション・バリューの略で、evolution=進化と、value=価値・重要性を組み合わせた造語だ。廣川さんは専務取締役兼那覇センター長として、コールセンターの運営に力を注ぐ。
  アウトドアに仕事に、人生を満喫する廣川さんへ、仕事を探す人たちへのメッセージを聞いた。
「ぜひ目標を持って、仕事に向かってください。そして、仕事に対し情熱を傾けてください。自分に気持ちがあるように、相手も自分のことを見ているし、感じています。仕事とはひとりでするものではありません。力を合わせればより大きな仕事をすることができます」
  廣川さんは毎日の生活の中でも、山を登るトレーニングを欠かさない。陽射しが強くない時期は、宇栄原の自宅から会社まで自転車で通勤し脚力を鍛えている。また、夜間のランニングや筋力トレーニング、そして柔軟体操やストレッチを一日30分欠かさない。何事も向上心と継続することが大切であると、廣川さんは語る。
  クライミングの世界に興味を持った人へのアドバイスを聞くと「沖縄で始めるのなら、まずはボルダリングから始めるのがよいでしょう」と教えてくれた。
  廣川さん自身の夢は、よりクライミング能力を高め、力を振り絞って登るビッグルートへ挑戦していくこと。まだ行っていない魅力あるバリュエーションや名峰など、廣川さんの行きたいところ、やりたいことは無限に広がり続ける。

プライベートライフ

◎観光

沖縄は見どころが多いので、リストアップしていろいろと行っている。特に良かったのは、辺戸御嶽という辺戸岬から30分ぐらい歩いたところにある古い霊場。

◎温泉

 登山やボルダリングの帰りに、宜野湾のJAアロマ温泉や恩納村の山田温泉などで汗を流している。
なるにはGUIDE
「まずクライミングのジムへ行くことでしょう。沖縄では、沖縄市の『沖縄やまあっちゃCLIMBIG GYM』(TEL 098─982─2828)と、浦添の『Coral Rock』(TEL 098─874─7035)があります。基本的に、専用の靴と手につけるチョークという滑り止めを入れるチョークバッグだけあれば、ボルダリングを始めることができます」

廣川健太郎さん

Imformation

KDDI Evolva Okinawa 株式会社KDDIエボルバ沖縄

トータルアウトソーシング
サービス体制で
お客様を支援いたします。

那覇市鏡水崎原地先フリーゾーン1号棟2階
TEL 098-840-1011
www.k-evolva.com/corporate/Okinawa/


廣川健太郎さん

●廣川さんの著書

「実戦! オールラウンドクライミング」、「チャレンジ! アルパインクライミング 北アルプス編」、「チャレンジ! アルパインクライミング 南アルプス、八ヶ岳、谷川岳編」「氷の世界へ チャレンジ! アイスクライミング」(ともに東京新聞出版局)。編著「アイスクライミング全国版」)(白山書房)、共著「東京周辺の沢」(白山書房)、「奥秩父・両神の谷100ルート」、「奥多摩高尾大菩薩の谷123ルート」(いずれも山と渓谷社)、「ふるさと百名山」(日経新聞)、「日本の登山家が愛したルート50」(東京新聞出版局)。

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