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07年7月14日号
meister

【マイスター】
専門家、大家のこと。”その道”で成功をおさめ、活躍中の人をルーキーでは勝手に「マイスター」と呼ばせてもらって、彼らがそこまでに至った道のりやエピソード、その職業へ就く方法などを語ってもらいました!!

──真面目が一番 こつこつやれば人生変わる
                 ヤル気があって真面目なら大丈夫──

永山明さん

居酒屋店主
永山明さん

1957年生まれ、糸満市出身。

糸満中学卒業。木工所やベニヤ製造工場で働いたあと、職業訓練所で電気工事士の資格を取得。
その後、重機関係の仕事に就き、フォークリフトの運転などに従事する。
1990年、親族が経営を始めた居酒屋ららみーに引き抜かれ、現在に至る。

 ひめゆり通り沿い、神原小学校の正門前。ガーブ川を挟み、与儀公園のすぐ向かい。信号があるT字路の角に、赤提灯がずらりと並ぶ炭火串焼の店・ららみーがある。ここで50年以上続く老舗の居酒屋だ。T字路の突き当たりには県知事公舎がある。
  定番の人気メニューは、大きな手羽先を使ったららみー唐揚げ600円と、ボリューム満点の焼きうどん500円、そして糸満のアンマーの味であるこだわりの豆腐ステーキ400円だ。「すべての料理が安くてボリューム満点で旨い!」と評判。日に二回足を運ぶ常連がいるほど、お手頃価格で地域に密着した居酒屋だ。

人気メニューを食べてみよう!
 豆腐ステーキが運ばれてきた。できあいの豆腐でない、永山さんが地元糸満で厳選して仕入れるこだわりの豆腐が、きつね色に焼き上げられている。あつあつの豆腐に甘い味噌ダレがかかり、緑鮮やかなワケギが彩りを添える。表面はしっとりと固く、中はふんわりハフハフと熱い。素朴ながらうまみに満ちた健康的なひと皿だ。
  次に焼きうどんが登場する。厨房からジュージュー音をさせ、あつあつの湯気とともに運ばれてきた。なんと牛をかたどったステーキ用の鉄板に盛り付けられている。鉄板からこぼれそうなぐらい山盛りにされた麺の中央に、プックリと黄金色に輝く卵黄が顔を出す。箸で割って麺にからめると、余熱でいい具合に火が通っていく。モチモチした麺と、ざっくり大ぶりなキャベツ。そして、薄くスライスされたニンジンと、大きく切られたベーコンがたっぷり入っている。玉葱は麺のような形状に、細く長くスライスされている。野菜は契約農家から仕入れる、こだわりの無農薬野菜だ。
  いよいよお待ちかね人気No.1のららみー唐揚げがきた。丸い皿の上に、ふっくらと大きな鳥手羽が5本並んでいる。つけあわせにせん切りキャベツがレタスの上にたっぷりと盛られている。手羽唐発祥の地・名古屋では、手羽先は小さいほうが旨いという説もあるが、やはりボリュームがあって食べ応えのある方がよい。ムッチリと肉厚な手羽先が濃い飴色に揚げられ、表面はカリカリと香ばしい。あつあつなので、少し待ってから手づかみで食べる。手羽をふたつに折り、先の方の軟骨を噛み砕く。そして、肉がたっぷりついた手羽を頬張ると、柔らかい手羽肉が口の中をいっぱいに満たしてくれる。ビールのつまみにもきっと合う、幸せのひと皿だ。
まったく未経験だった 飲食業の世界へ
 高倉健のように寡黙な、ららみー店主で料理長の永山さんは、糸満で生まれ育った。上に長男長女次女三女がいる五人兄弟の末っ子だった。中学を卒業し、すぐに社会へ出ると、地元の木工所やベニヤの製造工場で働いた。20歳を過ぎると、一年間、職業訓練所へ通い、電気工事士の免許を取った。そのあと、重機関係の会社へ入社し、フォークリフトの運転に従事した。飲食業の世界とはまったく縁がなかった。重機のハンドルを握る毎日で、のちに寿司を握ることになるとは夢にも思わなかった。
  そんな永山さんが料理の世界へ入ったきっかけは、二人の姉が居酒屋経営を始めたことだった。永山さんのすぐ上の姉は、琉球野草酒「源国」の開発者である親里喜代子さんだ。喜代子さんは酒販店を経営している。そして、居酒屋も経営しようと、親族で資金をつのり、ららみーの経営権を前オーナーから譲り受けた。ららみーは30〜40年前から同じ場所で営業を続けていた。
  今から17年前の平成2年、当時33歳の永山さんは、姉二人から引き抜かれて、ららみーで働き始めた。
「全くの畑違いで、にっちもさっちもどうにもブルドッグ〜、という感じでした…」
 飲食業の世界に入り、永山さんの生活は昼夜が逆転した。当初は昔からの板前さんもいたが、板前さんがやめたら店の営業がお手上げになる。居酒屋経営者は料理ができる必要があると実感し、見よう見真似で料理の技術を学んだ。友達に板前や寿司職人がいたので、いろいろ教えてもらった。今では握り寿司(10貫)900円や、山盛りの海鮮サラダ800円なども、特に美味しいと人気だ。無口で朴訥な永山さんは、言葉少なく真剣なまなざしで調理場へ立つ。
今宵も 大きな赤提灯に灯りがともる
 飲食業の夜は遅い。仕事が終わるのは夜1時で、朝起きるのは昼12時ぐらいだ。午後2時に自宅近くの糸満アンマー市場へ仕入れに行く。近くのお魚センターへも足を運ぶ。今の時期は小魚が高く、マチ類が安い。そろそろグルクンが美味しくなる季節だ。仕入れをすませ、店へ出勤するのが午後4時。それから串焼きの肉を串に刺したり、仕込みを始める。5時半頃から忙しくなり始め、夜10時ぐらいまでがピークだ。ラストオーダーは11時半で、閉店が午前1時。家に帰るのが深夜2時で、ほっとひと息ついて夕食を3時頃に食べる。そして就寝するのが4〜5時ぐらいだ。永山さんには奥さんと3人の娘がいる。朝食は午後3時頃で、店で食事をとることはない。
  店の定休日は日曜日だ。休みには模合のメンバーである同級生と草野球を楽しんでいる。永山さんのポジションはセカンド。そして、休みの前の夜は好きな泡盛を飲む。
  昨年12月に改装リニューアルされた、ららみーの店内は清潔感に満ちあふれている。店内正面のカウンターに、清潔なネタケースとガラスで仕切られた炭火焼コーナーがL字型に並ぶ。カウンターは12席で、ホールは4人がけのテーブル席が2卓。壁に沿って掘りごたつ式の座敷が左右に2ヶ所ある。座敷は全部で8卓あり、36名が着席できる。店全体で64名の収容が可能だ。左側の座敷には、葛飾北斎の琉球八景が壁いっぱいに描かれている。
  今宵も、ららみー入口の赤提灯に灯りがともる。子供がすっぽり入れてしまいそうな、大きな大きな赤提灯だ。地域に愛され続け、多くのお客様とスタッフに支えられ、永山さんはまごころこめて料理を作り続ける。
炭火串焼き ららみー  
なるにはGUIDE
「自分がもし面接した場合、真面目が一番です。完璧じゃなくても、やる気があって心の中から真面目であれば大丈夫ではないでしょうか。こつこつやれば人生が変わります。コックでない自分が独学でここまでできました。ただ真面目なだけがとりえです。そうやって完璧に近づければいいのではないでしょうか」

Imformation

炭火串焼き ららみー

那覇市寄宮1-8-1
098-853-8814
17:00〜翌1:00(L.O23:30)
日曜定休
お通し200円 
ビール500円

炭火串焼き ららみー


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