
PROFILE
しまぶくろしんや。1974年9月生まれ、うるま市出身。沖縄大学法経学部卒業。
派遣社員として万座ビーチホテル&リゾートで働き始める。5年目に契約社員となり、2005年にソムリエ資格を取得。
2006年、正社員登用試験に合格して正社員となり、現在に至る。
ホテルのサービスは、ひとりひとりのスタッフの力が支えている。
スタッフの力は、歴史の中で磨き抜かれていく。
沖縄を代表するリゾートの老舗・万座ビーチホテル&リゾートは、今年で開業から25周年を迎えた。
フロント、ベル、マリン、調理、レストラン、売店、客室、総務、人事、経理、営業、予約、施設管理など、数多くのスタッフ達が、ホテルの運営にたずさわる。
スタッフは、正社員や契約社員や派遣社員やアルバイトなど、様々な人達で構成されている。
ホテルという職場は、多くの人々の集合体だ。
▼技術を身に付けて組織の中でキラリと光る
島袋さんは配膳会社からの派遣社員として、万座ビーチホテル&リゾートのレストラン・アクアベルで働き始めた。
将来、レストランを経営したいという夢があった。ウエイターとして5年働き、勤務態度が評価されて、契約社員に昇格した。
そして、契約社員で3年働くと、正社員を目指し始めた。正社員になるには、アピールするポイントが必要だった。
職場にワインがとても好きな先輩がいた。
島袋さんは、ことあるごとにワインの知識について、質問されていた。
体質的に酒を飲まなかった島袋さんも、ワインに詳しくなりたいという知識的な欲求が生まれた。
先輩が高いワインを買ってくれて、一緒に飲んでワインの勉強をした。
当時、万座ビーチホテル&リゾートには、ソムリエが1人しかいなかった。
「ソムリエ資格を取れば、正社員試験でアピールできるかもしれない」と、島袋さんは思った。島袋さんのチャレンジが始まった。
▼ソムリエ試験は、競争率10倍の狭き門
ソムリエは、客の要望に応えてワインを選ぶ手助けをする、ワイン専門の給仕人だ。
ワインやアルコールを提供する飲食サービス業に、5年以上従事することが受験資格となる。
また、日本ソムリエ協会に入会すると、3年で受験できる。
受験勉強は、産地やワインの名前、特徴などを覚えることが基本だった。
同じ職場にいたソムリエ資格を持った上司が、部署移動となって、習いたくても教えてくれる人がいなくなった。
ネットで調べたり、独学の手探り状態で、ひたすらワインの知識を覚えていった。
香りの表現に、花や野菜の匂いが勉強になると聞けば、レストランにあるものをひたすら試していった。
試験は年1回、ハーバービューホテルで行われる。
一次が筆記で、二次が実技だ。島袋さんが合格した年、50名が受験して、一次合格者が7名、二次合格者が5名だった。
二次試験は、テイスティングとサービスの実技だ。
1日5~6杯は飲むコーヒー好きの島袋さんも、試験前の1ヶ月は刺激を控えるため、コーヒーを絶った。
テイスティングは、ワインの色を見ることから始まる。
白ワインの場合、気温が暖かい国のぶどうはよく熟して、色が黄色っぽく出る。
また、ワインの液面にはディスクと呼ばれるふちがあり、アルコール度数の高いワインはふちに厚みが出る。
それを見て、アルコール度をはかる。
次が香りだ。最初はぶどう本来の香りで、グラスを振って空気を含ませると、熟成した香りが出てくる。
ワインの香りを開く作業を、デキャンタージュと呼び、試験で実技が行われる。
ワインを別の容器に移し、空気を含ませると香りが開く。熟成して眠っているワインを刺激することで、複雑味を出していく。

▼従業員が選ぶベスト従業員で表彰に輝く
3年前の2005年。島袋さんはソムリエ試験に合格した。
それがきっかけとなって、翌年、正社員に登用された。派遣社員として働き始めてから、10年目のことだった。
みずから希望して、ホテル全体を見渡せる部署であるフロント業務も、1年半経験した。
そして、今年4月。ソムリエ資格が最も生かせる、レストラン部門に復帰した。
大きなガラス窓から、南国の美しい光が降り注ぐ楽園ダイニング。
万座ビーチホテル&リゾートの顔であるアクアベルでは、調理部門が19名、サービス部門に33名のスタッフが働いている。
サービス部門の勤務シフトは早番と遅番に分かれ、早番が朝の5時半から14時までだ。
遅番は14時から23時までとなる。早番の日に、島袋さんは朝の4時に起床する。
万国津梁館で行われた、1日2組限定で1人当たり総額約14万円、
生演奏付きでフルコース料理とドリンクを提供する懸賞企画で、島袋さんはテーブルサービスを任された。
さらに、全国の系列各ホテルで8月に一斉実施された、
従業員の投票で選出される優秀スタッフ表彰において、万座ビーチホテル&リゾートの中で2位に選出された。
1位とは僅差だった。配膳会社の派遣社員から、契約社員となり、正社員になった。
目の前にある小さなチャンスが、チャレンジする力によって、大きなチャンスとなって花開いていく。

▼このお仕事を目指す人たちへ
「テイスティングを行うために、ワインを買って飲むにはお金がかかります。
ワインが好きな仲間を集めるのが一番の近道です。そうすれば少ない金額でテイスティングができます。
また、暗記物が多く、1人で勉強するとくじけそうになるので、仲間で刺激し合いながらの勉強が励みになるでしょう」
Information
万座ビーチホテル&リゾート
楽園ダイニング アクアベル

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HP/www.anamanza.co.jp





