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07年2月7日号
![]() ![]() 古着屋「MONKEY DANCE」店長
和泉忍さん 【プロフィール】
1964年生まれ。愛媛県出身。
大学卒業後、大手アパレルメーカー、フルコミッション(完全歩合制)の営業職を経て、2006年8月来沖。パラダイス通りにて古着屋「MONKEY DANCE」をオープンする。 『転職は後ろ向きではなく、ステップアップのチャンス』
パラダイス通りにある「MONKEY DANCE」は、沖縄では珍しい国内ブランドを扱う、お兄さん&お姉さん系の古着屋さん。オープンして半年足らずだが、リピーターが多く口コミで広がっている。店長の和泉忍さんは、東京の第一線でトップセールスマンとして活躍した経歴を持つ。といっても今はそのオーラを封印しているかのように、気さくな笑顔が印象的だ。
「沖縄に来てからは、家族三人が食べていけるだけの収入があればいいと思っています。それよりも心の豊かさを取り戻したい。でもそれ以前は、自分では気づかないうちに、地位や名誉、高収入を追いかけていた時期がありました」 大学卒業後、和服や婦人服を扱う大手アパレルメーカーに就職した和泉さんは、名古屋に配属され販売を担当することになり、自ら外商の販路を広げ営業成績を伸ばしていた。その方法とは、バスガイドや看護師など女性の多い職場へと出向く販売方法だった。大阪や長野まで販路を広げ、着物や毛皮などを車に積んで売り歩く外商は好評を得て、見る間に成績はトップクラスになった。しかし、いくら成績を上げても年功序列の壁に阻まれ、組織への不信感が募るばかり。転職を考えた。 「転職はステップアップのチャンスなので、後ろ向きには辞めたくはありませんでした。そのためにはこれまで以上に良い成績を出して辞めることが一番だと思い、辞表を提出してから辞めるまでの数カ月間は、今まで以上に気合いを入れて働きました」 以来、「最高の成績を残して辞める」ことが和泉さんの転職のルールとなった。このルールは円満退職の秘けつにもつながった。こうしてアパレルメーカーを退職した和泉さんは、「東京へ出て勝負しよう」と上京。年功序列への反発から、求人情報誌では実力主義の仕事を探した。 転職先の仕事は教材の訪問販売だった。この会社では、契約が取れないと、その相手を前に電話で結果報告をさせるという方法を取っていた。プライドはずたずたに引き裂かれた。普通ならここで辞めてしまうところだが和泉さんには、自分に課した「ルール」と東京で勝負するという「意地」があった。しかも厳しい条件下でも成績を上げる先輩には触発されるものもあったという。 三カ月の研修期間は固定給が支給された。しかし、試用期間が過ぎると給料は完全歩合制。生活ができるほどの契約がなかなか取れず貯金を食いつぶす日々。楽な販売方法はいくらでもあったが、必ずクレームになる。それは和泉さんの良心が許さなかった。歯をくいしばり半年後、その後の営業スタイルを決定づける一本の契約が取れたのだ。 「契約者の子どもは、教材の良さは分っていても同じような失敗を何度も繰り返し、長続きしないという子どもでした。その上、親は耳の不自由な方で商談は筆談以外に方法がなく、五時間にも及びました。もうダメだと諦めかけたとき、すがるような視線で、子どもがもう一度だけチャンスが欲しいと強く希望していたので、子どもと一緒に土下座をしてお願いしました。契約のことは頭から飛んでいました。ただこの子を成功させてあげたいという純粋な思いだけでした。自分本意のときは上手くいかなかったのに、客の問題に真剣に向き合ってなんとか手助けをしたいという熱意が伝わったときに結果が出る。いわゆる『フォー・ユー精神』でした。このときに営業職は商品やサービスを提供する仕事ではなく問題解決のお手伝いをする仕事だと気づきました」 フルコミッションの営業は、教材、健康機器、IT関連と業種を変えながらも十六年間続けた。ただ金や地位を手に入れるも、充実感は得られなかったという。ヘッドハンティングされたIT関連の会社は、事業拡大を展開していた。無謀な事業展開に助言するも、一社員の声は届かなかった。経営は悪化し社長が失踪するという最悪な事態。「もう自分でやるしかない」と自営を決意する。お金や地位に翻弄されることなく、本当にやりたいことだけにパワーを使いたいと考えた。本当にやりたいことは原点のアパレル業だった。行き先は命の洗濯のために何度か訪れていた沖縄に決めた。移住・開業のための資金づくりや取引き先探しなど準備期間として二年間を費やし、昨年八月に来沖。古着屋「MONKEY DANCE」をオープンした。 「沖縄暮らしも自営業も、すべてが初めてづくし。毎日が失敗の繰り返し。でもその失敗が楽しくてしょうがない。僕にとって一番つまらないと思うのは、一度や二度の失敗で諦めてしまうこと。何故なら失敗は成功のための布石だと思うから。もうだめだと思う瀬戸際の先に、希望の兆しが見えると思います」 心の底から楽しんでいるからこそ、自然と笑みがこぼれるのかも知れない。そんな和泉さんの言葉には、転職のヒントや仕事への姿勢など学びがいっぱい。取材後、不思議と清清しい気持ちになり、元気が湧いてくるのだった。 ![]()
和泉忍さんより転職を考えている方へ
「転職する理由はさまざまだと思います。もしそれがネガティブな要因で他に責任転換をしていたらキリがありません。転職はステップアップのチャンスです。絶対に後ろ向きであってはいけないと思います。終身雇用神話が崩れたとは言え、世間一般では転職はマイナスに見られがち。そう言わせないためにも辞めるときには最高の記録を残すことにしました。これは円満退職にもつながりました。
お仕事紹介
「MONKEY DANCE」は、ヒステリックグラマー、ボディードレッシング、ナチュラルビューティー、アンタイトル、ユナイテッドアローズ、ビームス、シップスなどの国内ブランドが揃う、大人のためのリサイクルショップ。独自の仕入れルートを生かし「このブランド品がこの価格で儲かるの?」と客に心配されるほどの低価格で提供しています。さらにリサイクルの他、ANNA SUIのアクセサリーやグロリアス ジゴのパンプスなど新品が30%OFF。ブランドに詳しい人はもちろん、そうでない人も、宝探しのようなわくわく気分で買い物ができる古着屋さんです。 那覇市牧志1-1-38098-861-1737 営業時間/12:00〜21:00 休日/月曜日 |
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