仕事って生きていくために必要不可欠だけど、どうせやるなら「自分に向いている仕事」をしたほうが幸せですよね!

でも巷からは「自分に向いている仕事なんて分からないよ!」なんて声も聞こえてきます。

それならば会社探しの前に、「向いている仕事とは何か?」や「向いている仕事の見つけ方」を一緒に考えてみませんか?



1.自己分析をしてみて、自分の強みを知る

自分の今までを振り返り「得意なこと」「好きなこと」「上手くできたこと」などを書き出してみよう!

簡単な方法を示しておくので参考にしてみてください(紙とエンピツ、またはPCのWordかExcelをご用意ください)

①「小学校時代」「中学校時代」「高校時代」「大学時代(専門学校時代)」「現在」のように時代ごとに区切った枠をつくる。

②それぞれの枠の中に以下の★印の項目を設けて、その時の自分のことを思い出しながら書き出していく。

★どんな出来事(エピソード)があったか?

例えば・・・

・小学校時代は生徒会長を務め学校の環境美化に努めた。

・高校2年時、文化祭の実行委員を引き受けてイベントを成功に導いた。

・大学時代は多くの友人の悩み事相談によく乗っていた。例えば〇〇〇の悩みを解決してとても感謝された。

★どんなことに打ち込んでいたか?

例えば・・・

・小学校時代は陸上競技、中学校時代~高校時代は野球部に所属して毎日練習に明け暮れた。

・小学校時代から高校時代まで早朝ジョギングを欠かさなかった。

・小学1年生から今まで毎日日記をつけている。

・中学時代はボランティア活動に力を入れていた。

★好きなことは何? 嫌いなことは何?

例えば・・・

【好き】人と話をすること/料理を作ること/読書/写真を撮ること/車の運転/裁縫/掃除/文章を書くこと

【嫌い】勉強全般/体を動かすこと/人付き合い/家事/細かい作業

★得意なことは何? 不得意なことは何?

例えば・・・

【得意】英語/笑顔/人とすぐ仲良くなれる/場を盛り上げること/人前でしゃべること/illustratorを扱うこと

【不得意】人前に出ること/友達付き合い/算数と数学/PC操作/力作業

★出来事や打ち込んでいたことを通じて何を得たか?

例えば・・・

・目標を達成するまでは決して諦めない強い心と、達成した時の喜びを得ることができた。

・ 毎朝のジョギングを欠かさず10年続けられたことで、一つのことをやりつづける大切さを学んだ。しかも体力がついて風邪をひかなかった。

★上に挙げたことに基づいて、「自分の性格や特性(例:社交的・内向的・協調性の有無など)」も考えてみよう。

書き出す際、「なぜ?」など自分に問いかけをしながら書いていくと良いでしょう。そうすることで深掘りが可能になり、より深みのある自己分析となります。

「好きなこと」「得意なこと」を明確にすることで、仕事探しの方向性(業種や職種など)が定まってきます。

「嫌いなこと」「不得意なこと」を明確にすることで、関連する職種を避けることができます。

自分の「性格や特性」「得意なこと」「好きなこと」が分かれば、気になる職種に向くかどうかをインターネット等で調べることもできます。

※面接時の自己アピールにおいても、自分の「強み」を自信を持って話せる(=説得力が増す)ようになります。


2.自分に対する周囲の人の意見を聞く

自己分析だけでは思い込みや固定観念などが邪魔をして、自身のことが正確に見えてこないこともあるでしょう。

そこで身近にいる親や兄弟姉妹、友人・恋人・趣味仲間等に、自分の長所・短所、向き・不向き、得意・不得意、強みなどを聞いてみよう! (また、自分の性格や特性は自身では分からないこともあるので、人に聞いた方が良いかもしれませんね)

もしかしたら、自分では気がつかなかったことを教えてくれるかもしれませんよ。(新たなことが出てきたら、自己分析表に書き加えよう)

※他者からの意見なので、より客観的な内容を聞くことができます。面接の場で自分の話をする際、信憑性や説得力が増すので役立ちますよね。


3.好きなことを仕事にする際、考えておきたいこと

ぜひとも間違えないでいただきたいのは、「好きなこと」と「好きな仕事」は違うということです。

例えば、自分は車が好きで「車に関わる仕事がしたい」と思っていたとします。でも「一般消費者として好き」だったとしても、仕事にした時「好きでいられるか」はまったく別の話です。なぜなら車に関わる職種は多岐に渡っており、とても幅広いからです。職種が違えば「向き・不向き」は当然変わってきます。

【車関連の職種の例】

●開発・設計・デザイン

●製造

●セールス

●整備

●ドライバー

●車雑誌の編集・出版

今、私が思いつくまま書き出してもこれだけあります。

他にもまだまだあるでしょうし、ここに挙げた仕事もおおざっぱなものなので、実際にはもっと細分化されています。またそれぞれの仕事には、それぞれの「責任」「ノルマ」「体力的問題」「精神的問題」等が生じますから、それでも「好きでいられるか」「続けられるか」をよ~く考えなければなりません。「車関連の中でも、どんな職種に就くのか?」で、キャリア・方向性・所得が大きく変わります。従って自分の特性や状況・希望等を加味して具体的に考える必要があります。

ここに挙げた車関連の話はただの一例にしかすぎません。貴方が考える「好きなこと」や「好きな仕事について」の参考にしてください。

仕事にしてしまったために好きなことのイヤな部分が見えてきたり、毎日同じ作業を繰り返すことで新鮮味がなくなって飽きてしまったり、ということも考えられます。

好きなことを仕事にしたはずなのに、くれぐれも「嫌い」にならないよう慎重に!


4.得意なことを仕事にする際、考えておきたいこと

そもそも、何をもって「得意なこと」と言えるのでしょうか?

簡単に言ってしまえば、「他人よりも上手にできること」が得意なことです。必ずしもそれが一番である必要はありません。それに自分自身は「それほど上手ではない。」と思っていても、周りと比べて平均以上なら十分に得意なことと言えるでしょう。ここで「誰にも負けないこと」というようにハードルを上げてしまうと、なかなか見つからなくなってしまうし、何が得意か分からなくなる恐れがあります。

それともう一つ、「得意なこと」と「好きなこと」は必ずしもイコールとは限りません。先ほども話したように、得意なこととは他人よりも上手にできることです。「好きor嫌いorどちらでもない」など自分が持っている意識や気持ちに関係なく、手慣れていてスムーズにこなせることが「得意なこと」だと考えたほうが良いでしょう。そして得意なことを仕事にする利点は、成功しやすいということです。他の人より成果を上げられる可能性が高いため、周りから評価もされやすくなります。以上をふまえると、「自分に向いている仕事とは?」の問いかけに対して、「自分の得意なこと!」という答えが一つ浮かんできます。では、貴方の上手(得意)なことって何ですか?

一方、「好きこそ物の上手なれ」ということわざもありますし、「上手だと、好きになる!」という場合もあるでしょう。なので、職種を考えるうえで上手だけでなく「好き」という要素を取り入れることも、「自分に向いている仕事とは?」の一つの答えになるのかもしれません。


5.求人メディアでよく目にする職種を以下に挙げ、主だった「得意なこと」「好きなこと」「向いている性格・特性」等を職種ごとにあてはめてみました。参考にしてください。

※各職種においてすべての条件があてはまらないといけないというわけではありませんし、ここに挙げたものだけがすべてということでもありません。あくまで、ひとつの目安だと思ってください。

【販売系】

●接客・販売スタッフ・・・人と接することが好き/判断力に自信あり/明るい/笑顔でいられる/臨機応変に対応可能

●コンビニスタッフ・・・人と接することが好き/複数の作業を同時に行える/臨機応変に対応可能/作業の優先順位の判断がつけられる/明るい


【事務系】

●一般事務職・・・処理のスピードが速く正確に行える/コミュニケーション能力がある/作業の優先順位の判断がつけられる

●経理事務職・・・数字に強い/集中力がある/コツコツと作業に取り組める

●医療事務スタッフ・・・コミュニケーション能力がある/臨機応変に対応可能/細かいことにも気を配れる


【外回り系】

●営業職・・・人と接するのが好き/コミュニケーション能力が高い/好奇心旺盛/問題の発見及び解決へ導ける自信がある/相手の立場に立って考えられる/臨機応変に対応可/体力的・精神的にタフ/常に数字を意識できる

●ルート営業・・・人と接するのが好き/効率的にモノごとを考えられる/体力に自信あり/メンタルが強い

●ルート配送・・・ルーティンワークが好き/運転好き・得意/責任感がある/体力がある

●配送ドライバー・・・運転好き・得意/コミュニケーション能力がある/明るい/体力がある/挨拶ができる

●配送スタッフ・・・コミュニケーション能力がある/体力がある/慎重/安全意識が高い

●運転代行スタッフ・・・コミュニケーション能力がある/運転好き・得意

●タクシードライバー・・・コミュニケーション能力がある/運転好き・得意/観察力がある/分析力がある/時間管理ができる/体調管理ができる


【医療・介護・福祉・保育系】

●介護職・・・人と接するのが好き/気配り上手/明るく元気/チームワークを尊重できる/スキルアップをしたい/観察力・洞察力がある

●入浴介助スタッフ・・・体力がある/気配りができる/人と接するのが好き/明るい/笑顔を絶やさないでいられる

●看護師・・・協調性がある/体力がある/責任感がある/向上心がある/世話好き/コミュニケーション能力が高い/観察力・洞察力がある/慎重/気配りができる/安全意識が高い

●保育士・・・明るい/子ども好き/体力がある/精神的にタフ/感受性が豊か/文章を書くことが好き/観察力・洞察力がある/よく気が付く/安全意識が高い

●歯科衛生士・・・人と接するのが好き/細かい作業が得意/体力に自信あり/勉強熱心

●歯科助手・・・コミュニケーション能力がある/向上心がある/臨機応変に対応可


【飲食系】

●管理栄養士・・・人の役に立つことが好き/協調性がある/チームワークを大切にできる/コミュニケーションが取れる/粘り強い/忍耐力がある

●ホールスタッフ・・・人と接することが好き/元気で明るい/体力がある /素直/記憶力に自信がある

●キッチンスタッフ・・・料理が好き/モノ作りが好き/協力しながら仕事ができる/コミュニケーションが取れる

●調理員・調理補助・・・体力がある/慎重/要領が良い/スピーディーに事が行える/協調性がある


【サービス系】

●コールセンタースタッフ・・・コミュニケーション能力が高い/気持ちを切り換えられる/ポジティブ/素直/「報告連絡相談」ができる/競い合う環境を楽しめる

●ホテルスタッフ・・・人と接することが好き/チームプレイができる/ニーズを見極める観察力がある/体力がある/人をもてなすことが好き

●フロントスタッフ・・・人と接することが好き/人を喜ばせることが好き/コミュニケーション能力が高い/臨機応変に対応可能

●客室清掃・・・黙々と作業をすることが好き/ミス無くスピーディーにこなせる

●清掃スタッフ・・・きれい好き/お掃除好き/同じ作業を飽きずに意欲的にできる/一人でコツコツと作業ができる


【屋内作業系】

●倉庫内作業員・・・一つの作業を黙々とこなすのが得意/集中力がある/チームワークで動ける

●ピッキングスタッフ・・・集中力がある/コツコツと作業ができる/1人で黙々と作業ができる

●製造スタッフ・・・モノづくりが好き/手先が器用/一つの作業に集中できる/根気強い/几帳面


【アクティブ・パワーワーク系】

●現場作業員・・・注意力がある/体力がある/慎重な性格/重機の操作が好き・得意/暑さや寒さに強い/集中力がある/整理整頓が好き/安全意識が高い

●型枠大工・・・チームワークを重視できる/体力がある/集中力がある/注意力がある

●解体工・・・体力がある/体を動かすのが好き・得意/重機に興味がある

●鉄筋工・・・体を動かすのが好き・得意/向上心がある/几帳面な性格/チームワークを重視できる

●鳶職・・・高い場所が平気/体を鍛えるのが好き/慎重な性格

●電気工事士・・・冷静/慎重/正確に作業が行える/体力に自信あり/几帳面な性格/自ら学ぶ姿勢がある/電気や電気工事に興味あり

●警備員・・・責任感が強い/暇に耐えられる/高齢男性と上手くやれる/体力に自信あり

●施設警備員・・・長時間の拘束に耐えられる/夜勤OK/体力がある/責任感がある

●交通誘導員・・・コミュニケーション能力がある/判断力がある/体力がある/安全意識が高い

●自動車整備士・・・車好き/忍耐力あり/手先が器用/体力がある/人と話すことが好き/コミュニケーション能力に自信あり/探求心や向上心がある


【ビューティー系】

●美容師・理容師・・・接客好き/おしゃれ好き/人と気持ちの良いコミュニケーションが取れる/新技術を吸収する向上心がある/忍耐力あり/体力がある

●エステティシャン・・・明るく元気/思いやりがある/誰でも平等に扱える/誠実で気分にムラが無い/向上心がある

●ネイリスト・・・コミュニケーション能力に優れている/体力がある/手先が器用/細かい作業が好き・得意


【教育系】

●学童指導員・・子ども好き/人と人との関係を調整する能力がある/気が長い/動じない/切り替えが早い/観察力や洞察力がある/臨機応変に対応可

●塾講師・・・子ども好き/人と接するのが好き/明るい/親切/丁寧/教える情熱や根気を持ち続けられる/コミュニケーション能力が高い/向上心がある/体力がある/精神的にタフ


6.まとめ

「自分に向く仕事っていったい何だろう?」と思ったら、まず最初に今までの自分を振り返ってみよう!(=自己分析)

これまでの経験を思い起こし、特に「好きなこと」「得意なこと」を洗い出していくことで、自分に向く仕事(職種)が見つけ出しやすくなります。

また自分一人で考えるだけでなく、周りの人に聞いてみるのもGOOD! 自分では思いもしなかったするどい意見が聞けるかもしれませんよ。

ただ漠然とした中で様々な仕事を見てまわるのは、時間も労力もムダになる可能性が大!

自分が持っている能力やパフォーマンスを最大限発揮できる仕事にめぐり会うためにも、まずは「己を知る」ところから始めましょう!