型枠大工の仕事内容

コンクリート建造物を建築するときにはコンクリートを流し込むための「型枠」を作成する必要があります。

この型枠の作成から解体までの一連の工程が型枠大工のお仕事です。


型枠大工の作業工程

拾い出し作業

拾い出し作業とは建築士が作成した設計図を読み解き、コンクリートを流し込む部分(躯体部分)を拾い出す作業のことです。

設計図のCADデータを元に専用ソフトを使用して柱・壁・梁などの数量を割り出し、型枠で使用する材料のサイズや数量を計算します。

そのデータを元に加工用の図面である加工図を作成します。

地道な作業ですが、この加工図に間違いがあると設計図通りの躯体が完成しないことになり大変なことになります。

しかし建物の完成には締切が存在しているため、正確かつスピーディーさが求められます。


部材加工作業

加工作業では作成した加工図を元に材料の加工を行います。

建築する現場で加工を行うと思われがちですが、専用の作業場で行い運搬後に現場で組み立てを行います。

現場での組立作業が効率よく行われるように加工するためには熟練の技術と経験が必要になります。

完成した加工材はトラックなどで搬送します。


墨出し作業

墨出し作業とは搬送した加工材をどこに設置するのかを決めるための基準を設定する作業です。

土台となる基礎に設計図をもとに水平・垂直を正確に線を引いていきます。

ここでずれてしまうと建物全体の歪みや耐久性に問題が出てしまうため、慎重に行わなければなりません。

そのため施工中には何度も墨出し作業を行います。

土台に墨出し作業が終了したら敷桟を敷いていきます。

敷桟とは壁や柱を建てるための土台のようなものでこちらも水平がきちんと保てているか注意しながら作業を行います。


加工材搬送作業

加工材を作業所から搬送する作業です。

現場で組立作業がスムーズに行われるように加工材を搬送する順番にも気を使いながら行います。

また加工材が壊れないよう慎重に荷降ろしを行う必要があります。

その間に別の業者・職業である鉄筋業者・鉄筋工が建物の骨となる鉄筋を設置していきます。


建て込み作業

建て込み作業では鉄筋業者が設置した鉄筋を加工材で囲み組み立てを行う作業です。

加工材がずれてしまうと、流し込んだコンクリートが漏れ出す原因にもなりかねません。

また建物の梁・柱・壁なる部分ですので水平・垂直になるよう慎重に作業を行います。


締め付け作業

締め付け作業では設置した型枠を、ホームタイやPコン、単管パイプなどで固定する作業です。

コンクリートを流し込んだ後は型枠に対して外側に向けて大きな圧力がかかります。

例えばバケツに水を入れた場合を想像してみるとわかりやすいかと思いますが、バケツが外側に向けて湾曲することがわかります。

これは水の重さで圧力がバケツ部分が押されることによる変形です。

コンクリートではその量は何十倍にもなるため型枠にはとても大きな圧力がかかり、歪みや型枠が壊れる原因となります。

そのため、ホームタイやPコンと呼ばれる固定器具や単管パイプで型枠を締め付け型枠の変形を防止します。

打ちっぱなしのコンクリートをよく見てみると丸い後が等間隔で並んでいるのがわかります。

これは固定していたPコンを取り外した後にできる穴を塞いだ後なのです。


コンクリート打設・締固め作業

コンクリート打設作業は完成した型枠にコンクリートを流し込む作業です。

コンクリートはもともと粉末のものを水と混ぜ合わせて作成します。

この混ぜ合わせる際や搬送の途中でコンクリートの中にはたくさんの空気が入ってしまっています。

コンクリートを流し込む際も同様に空気が入り込むため強度に問題が出てしまいます。

そこで中に入った空気を排除する作業が必要になるのですが、それを締固め作業といいます。

バイブレータと言われる機械や型枠を叩き振動を与えることで中にある空洞までコンクリートを行き渡らせ固まった時の強度を高めます。

生コン車で型枠の中にコンクリートを流し込んだあとは型枠全体をチェックし問題ないか確認を行います。


型枠解体作業

コンクリート打設後、コンクリートが固まったら型枠解体作業を行います。

バールなどを使用して壁、梁、床の順に剥がしていきますが、剥がす際にコンクリートに傷がつかないよう注意しながら作業します。

また使用した加工材は再利用する可能性もあるため、その場合は傷つけないように剥がす必要があります。


引き渡し

型枠を全て外したら次の業者が作業しやすいようゴミなどを片付け、綺麗に清掃します。

現場監督などのチェックが完了したら作業終了となります。


安全確保も大切なお仕事

工事現場では常に危険が伴います。

型枠大工の作業でも色々な工具や大きな資材を多く使用するため注意が必要です。

また足場を組んで高所でも作業を行うため落下防止などの対策も大切です。


型枠大工で働く大変さとやりがい

型枠大工は当然ながら体力を要する職業です。

特に沖縄県の現場では日中の気温の高さから熱中症などの危険も伴います。

こまめな水分補給と休憩を取り、自分自身の体調管理には特に気をつけなければなりません。

また重い資材を運んだり高所での作業など建築現場には色々な危険要素があるため徹底した安全管理が必要です。

その分やりがいも大きく、自分が手をかけた建物ができあがっていく様子を見るのは他の職種では経験できないでしょう。

また建物は何十年にも渡って立ち続けるため自分が関わった作品として誇りを持てる職業です。


型枠大工の仕事で役立つ資格・スキル

型枠大工として働くのに特に資格は必要ありませんが、以下のような資格が存在し資格を取得することで自分のスキルの証明をすることが可能です。


型枠施工技能士

型枠施工技能士は型枠施工の技能を認定する国家資格です。

型枠施工技能士には1級・2級・3級と階級が存在し、1級型枠施工技能士が一番上位の資格となります。

3級は人材不足の懸念から2017年に新たに設けられた階級で比較的新しいものとなっています。

また3級の受験資格には実務経験が必要ないため誰でもチャレンジすることができます。

試験内容には学科試験・実技試験があり上級になるにつれて難易度が上がっていきます。

資格を取得することで自身が型枠施工のスキルを持つ証明になるだけではなく、その他の建築関連の受験資格を得られるメリットがあります。


型枠支保工の組立て等作業主任者

型枠支保工の組立て等作業主任者は型枠施工を行う際の責任者になるために必要な国家資格です。

一定の実務経験や指定された学科の修了などの受験資格を取得する必要がありますが、資格を取得することで管理職の立場として活躍することができます。

また資格を取得することで事業主として活躍することも可能となり、独立への道も開けます。


まとめ

沖縄県では住宅を建てる際にはコンクリート構造が主流となっています。

そのため型枠大工の需要は高く、将来に渡って安定しているでしょう。

また管理者としての資格を取得することでのキャリアアップも可能となっています。

台風から身を守るための構造物を自分自身の手で築き上げる作業が他の業界では得られない大きな達成感があります。

興味のある方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。


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