沖縄の求人情報サイト「ルーキーWeb」が、仕事を探している方・就職や転職を希望する方の視点で求人や仕事探しに役に立つ記事・読み物を集めました。

建築・建設業界での多能工ってどういう仕事?現場で求められる多能工の役割

建築・建設業界での多能工ってどういう仕事?現場で求められる多能工の役割や能力

はじめに

近年、建築・建設業界では深刻な人材不足が叫ばれる中、「多能工」と呼ばれる存在が注目を集めています。

多能工となり複数の工程を担当できるようになると自分のスキルの幅が広がり、さまざまな業務に対応できるようになります。その結果、現場での役割が増えて頼られる存在になり、やりがいや成長を感じやすくなります。また、工程間の流れを理解することで、チーム内の連携がしやすくなり、仕事がスムーズに進むのも大きなメリットです。

また、工程間の連携もスムーズになることから、工期短縮や品質向上にも貢献できると期待されています。建設業界にとって、多能工の存在価値は非常に大きいといえるでしょう。

※ルーキーWebでは、多能工などの建築・建設業界に関連する求人情報を掲載しています。仕事をお探しの方はチェックしてみてください。

多能工の定義と求められる背景

多能工の定義と求められる背景

近年、建設業界で「多能工」という言葉が注目を集めています。多能工とはどのような人材を指すのでしょうか。ここでは、多能工の定義と、建設業界において多能工が求められる背景について解説します。

多能工とは何か?

多能工とは、複数の職種や工程の作業をこなすことができる人材のことを指します。一つの専門分野に特化するのではなく、幅広い知識とスキルを身につけ、状況に応じて柔軟に対応できる人材といえるでしょう。

建設業界における多能工の定義

建設業界における多能工は、複数の異なる職種や工程を遂行するスキルを持つ人材と定義されています。国土交通省のリーフレットでは、「マルチクラフター(建設工事において、連続した複数の異なる作業や工程を遂行するスキルを有する個人)」と表現されています。

引用元:マルチクラフター(多能工)を育成しよう!!(国土交通省)

例えば、大工の仕事に加えて、左官や電気工事などの作業もこなせる人材が、建設業界における多能工の一例といえます。現場の状況に合わせて、必要な作業を臨機応変に対応できる能力が求められるのです。

建設業界で多能工が求められる理由

建設業界で多能工が注目される最大の理由は、深刻な人手不足への対策としての側面があります。少ない人数でより効率的に工事を進めるためには、一人の職人が複数の作業をこなせることが望ましいのです。

加えて、工事の工程管理や品質管理の面でも、多能工の存在は重要です。現場全体を俯瞰し、各工程の進捗状況や問題点を把握できる人材は、円滑なプロジェクト運営に欠かせません。専門性と総合力を兼ね備えた多能工は、建設業界に大きな価値をもたらすのです。

建設業界の深刻な人材不足の現状

国土交通省の調査によると、建設業従事者数は1997年の685万人をピークに減少の一途をたどり、2019年には500万人にまで落ち込んでいます。また、高齢化も進行しており、29歳以下の若年層の割合は減少傾向にあります。

引用元:「建設産業における担い手の確保・育成について」P3.建設業就業者の現状(国土交通省 不動産・建設経済局)

他方、建設投資額は2013年以降増加しており、建設需要は高まっています。労働力の需給ギャップは年々拡大しており、人材の確保が業界の大きな課題となっているのです。多能工の育成は、こうした人材不足の解消につながる重要な取り組みといえるでしょう。

建設業界における多能工の役割と必要性

建設業界における多能工の役割と必要性

ここでは、建設現場での多能工の仕事内容や、その役割の重要性について詳しく解説していきます。

建設現場での多能工の仕事内容

多能工は、建設現場において幅広い作業を担当します。例えば、大工工事と塗装工事の両方を行ったり、電気工事と足場の組立・解体を兼任したりすることができます。これにより、複数の職人を手配する必要がなくなり、現場の効率化につながります。

また、多能工は現場全体の流れを理解しているため、他の職人とのコミュニケーションもスムーズです。工程間の連携がとれることで、手戻りや無駄な待ち時間を減らすことができるのです。こうした多能工の働きは、建設プロジェクトの円滑な進行に欠かせません。

多能工が建設現場の生産性向上に与える影響

多能工の活躍は、建設現場の生産性向上に直結します。従来は複数の職人が担当していた作業を、多能工なら一人で済ませることができます。これにより、人員配置の効率化が図られます。

加えて、多能工は状況に応じて柔軟に対応できるため、突発的なトラブルにも素早く対処できます。その結果、現場の停滞を防ぎ、生産性を維持することが可能となります。

多能工の存在は、建設業界が抱える人手不足の問題を解消する有効な手段の一つといえるでしょう。働き手からすると、現場で重宝され安定した雇用につながります。スキルが増えることで仕事のやりがいも高まり、将来の選択肢も広がります。

多能工が建設現場の工期短縮に与える影響

工期の短縮は、建設プロジェクトの成功に欠かせない要素です。多能工は、複数の工程を並行して進められるため、大幅な工期短縮が可能となります。ある作業が終わるのを待つ必要がなく、スムーズに次の工程に移れるのです。

これは、建設会社にとって大きなメリットとなります。工期が短縮されれば、その分だけ次の案件に着手できますし、顧客の信頼も高まります。多能工の働きによって、建設プロジェクトのスピードアップと効率化が実現できるのです。

多能工が建設現場の品質向上に与える影響

建設現場の品質は、多能工の技術力によって大きく左右されます。多能工は、幅広い知識と経験を持っているため、適切な判断と対応が可能です。各工程の精度が上がることで、建物全体の品質も向上するのです。

例えば、内装工事と設備工事の両方を理解している多能工なら、二つの工程の兼ね合いを考えた施工ができます。狭い箇所や複雑な部分の納まりも、多能工ならではの細やかな配慮で美しく仕上げられます。こうした品質の高い施工は、建物の耐久性を高め、顧客満足度の向上につながるのです。

以上のように、建設業界における多能工の役割と必要性は非常に高いといえます。今後、多能工の育成と活用がますます重要になってくるでしょう。

多能工になるためのスキルと資質

多能工になるためのスキルと資質

建築・建設業界で重宝される多能工になるためには、単に複数の職種を経験するだけでは不十分です。

ここからは、多能工として現場で活躍するために身につけておくべきスキルと資質について詳しく解説していきます。建設現場の第一線で求められる人材像を理解することで、多能工を目指す際の指針としていただければ幸いです。

多能工に必要な専門スキル

多能工の基礎となるのは、複数の建設関連職種における専門的な知識と技術です。

建築現場では、設計図面の読解力も重要なスキルの一つです。施工プロセスを理解し、適切な手順で工事を進められるよう、図面から必要な情報を読み取る力が求められます。加えて、建築基準法など関連法規の知識も欠かせません。

また、近年はICT技術を活用した施工管理が主流となりつつあります。多能工としてのスキルアップを図るうえでは、デジタルツールの操作にも習熟しておくことが望ましいといえるでしょう。

多能工に必要なコミュニケーション能力

現場の最前線で業務を遂行する多能工にとって、円滑なコミュニケーションを図る能力は極めて重要です。元請けや監督者との連絡、他の専門工事業者との調整など、さまざまな場面で適切なコミュニケーションが要求されます。

たとえ優れた技術力を有していても、うまく意思疎通ができなければ、工事の進捗に支障をきたすおそれがあります。多能工は、報連相を徹底し、情報共有を密にすることで、チームの一員としての役割を果たせるよう努めましょう。

若手職人の育成を担う立場となることも少なくありません。後進の指導に際しては、知識や経験を一方的に押しつけるのではなく、相手の理解度や特性に合わせて柔軟に教えることが重要です。

多能工に必要なマネジメント能力

複数の職種にまたがる業務を担う多能工は、自身の仕事を適切にマネジメントする能力も求められます。限られた時間と人員で最大の成果を生み出すには、効率的な工程管理が不可欠だからです。

各作業の所要時間を把握し、最適なスケジュールを立案する。資機材の手配や人員配置を行い、施工の手順や方法を決定する。品質管理や安全管理も怠らず、トラブル発生時には迅速に対処する。多能工の業務は多岐にわたります。

マネジメント能力を高めるには、自身の経験を着実に積み重ねることが何より大切です。失敗を恐れず様々なことにチャレンジし、そこから学んだ教訓を糧としてマネジメントスキルを磨いていくことが重要でしょう。

多能工に求められる柔軟性と適応力

建設プロジェクトでは、当初の計画通りに物事が運ばないことも珍しくありません。工期や施工内容の変更、突発的なトラブルの発生など、臨機応変な対応が求められる場面は少なくないのです。

このような状況下で力を発揮するのが、柔軟性と適応力に長けた多能工です。与えられた環境の変化を俊敏に捉え、それに応じて自在に働き方を切り替えていく。困難な局面にあっても前向きに取り組み、粘り強くベストを尽くす逞しさが、多能工には欠かせません。

多能工になるメリット

多能工になるメリット

ここでは、建設現場で多能工になることのメリットについて詳しく解説します。

収入アップの可能性

多能工になることで、最も期待できるメリットが収入アップです。複数の工程を担当できるようになれば、会社の売上に直結するだけでなく、将来的に独立した際の収入にも好影響を与えます。通常の職人の1日単価が2万円程度なのに対し、多能工の単価は1.5倍から3倍に跳ね上がる可能性があるのです。

キャリアアップの機会拡大

多能工になるということは、自身のスキルアップにつながります。新しい知識や技術を習得することで、これまで以上に幅広い視点で現場を捉えられるようになるでしょう。複数の職種を経験することは、将来的なキャリアの選択肢を広げることにもなります。

また、多能工としてのスキルを活かし、現場監督やプロジェクトマネージャーといった管理職へのステップアップも狙えます。自身のキャリアプランに合わせて、多能工としてのスキルを磨いていくことをおすすめします。

仕事の幅の広がりによるやりがい

多能工として活躍することで得られる大きなメリットの一つが、仕事のやりがいです。一つの専門分野だけでなく、複数の工程に関わることで、プロジェクト全体への理解が深まります。現場の全体像を把握しながら業務を遂行できるようになることは、職人冥利に尽きるのではないでしょうか。

現場での存在価値の向上

多能工は、人手不足に悩む現場にとって頼りになる存在です。一人で複数の工程をこなせるようになれば、工程間の調整もスムーズになり、工期短縮にも貢献できます。元請け側からも、重宝される職人として認知されるようになるでしょう。

「あの現場にも来てほしい」と指名されるような、現場になくてはならない多能工を目指してみてはいかがでしょうか。自身の市場価値を高め、建設業界で長く活躍できる基盤を築くことができるはずです。

多能工になるデメリット

多能工になるデメリット

建築・建設業界で「多能工」として活躍することは、複数の専門スキルを身につけ、様々な工程を担当できるようになるという大きなメリットがあります。しかし一方で、多能工になることにはいくつかのデメリットも存在します。

ここでは、多能工になる際に直面する可能性のある課題について詳しく見ていきましょう。

複数の専門スキルの習得に時間と努力が必要

多能工になるためには、複数の職種に関する専門的な知識とスキルを身につける必要があります。これまで経験のない分野の技術を一から学ぶことは、かなりの時間と努力を要する作業です。

例えば、大工の仕事に習熟している人が、電気工事の技術を身につけようとする場合、電気に関する基礎知識から学ばなければなりません。また、実際の現場で経験を積み、様々なケースに対応できる応用力を養うことも欠かせません。

このように、多能工になるためのスキル習得には、強い意欲と継続的な努力が必要不可欠です。簡単な道のりではありませんが、その分、得られるものも大きいと言えるでしょう。

業務量と責任の増加によるストレス

多能工として現場で活躍するようになると、当然ながら業務量は増加します。一人で複数の工程を担当することになるため、仕事の幅が広がる分、責任も重くなります。

多能工として成功するためには、ストレス耐性やコミュニケーション力などのいわゆる「ヒューマンスキル」も必要とされるのです。単に技術力だけでは、多能工としてのキャリアを長く続けることは難しいかもしれません。

専門性を極めることの難しさ

多能工は複数の職種に精通するため、一つの分野に特化するスペシャリストとは異なる働き方だと言えます。幅広い知識と経験を持つ多能工にとって、一つの専門分野を極めることは容易ではありません。

例えば、電気工事と塗装工事の両方に携わる多能工の場合、それぞれの分野で最先端の技術を追求し続けることは、時間的にも体力的にも難しいでしょう。多能工としてのキャリアを重ねる中で、専門性を深めたい分野を絞り込むことも必要になるかもしれません。

ただし、専門性を極めることが難しいからと言って、多能工の価値が下がるわけではありません。複数の分野に精通する多能工は、現場の全体最適化や業務の効率化に大きく貢献できる存在です。多能工ならではの強みを活かしたキャリア形成を目指すことが重要だと言えます。

まとめ

建設業界で注目を集める「多能工」は、複数の職種や工程をこなせる貴重な人材です。

多能工になることで、収入アップやキャリアアップの機会が広がります。また、現場の全体像を把握しながら業務を遂行できるようになり、仕事のやりがいも増すでしょう。

ただし、多能工への道のりは容易ではありません。時間と努力が必要ですし、業務量と責任の増加によるストレスも伴います。

多能工を目指すあなたには、建設業界の未来を担う意気込みを持って、着実にステップアップを図っていただきたいと思います。業界の発展に貢献できる多能工として、ぜひ活躍してください。

ルーキーWeb:沖縄の建築・設備・土木の求人一覧


投稿日

カテゴリー:

投稿者: