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沖縄市ファミリーサポートセンター【與座 初美さん】

「忙しくて子どものお迎えに行けない、事情があって数時間子どもを預けたい。」そんな時にサポートしてくれる制度があることを知っていますか。

子育て中の家庭と、地域をつなぐ「沖縄市ファミリーサポートセンター」は、様々な事情を抱えた家庭や、社会にでて活躍したいお母さんたちが安心して子どもを預けられる環境を作るとともに、子どもをまかせられる(預かる)ことで地域社会に参加する人を増やし、地域循環型支援の輪を広げる活動を行っています。

現在、沖縄市ファミリーサポートセンターは活動開始から17年、沖縄県内の41市町村中33市町村にファミサポの輪が広がっています。

今回は、沖縄で初めて開設した沖縄市ファミリーサポートセンターにて、ファミサポの母と慕われるセンター長・與座初美さんにお話を伺いました。

【1】ファミリーサポートセンターについて教えてください!

 「子どもはみーんなで育てるものさぁ~」を基本コンセプトに地域と子育て家庭をつなぐ会員制(依頼・提供・両方)の有償ボランティア活動です。

子どもを一時的に預けたい・子育ての手伝いをしてほしい「おねがい会員」と、子育てのお手伝いがしたい「まかせて会員」の橋渡しをしています。

利用するには初めに「おねがい会員」として会員登録し、事前に打ち合わせを行います。それから預ける日の詳細な日時や内容・地域などを相談し、条件のあった「まかせて会員」の方にお話して、両会員の合意を得て成立となります。私たちは両会員の橋渡し・調整役ですね。

また、子どもを預けるだけではなく、自分の空いている時間に他会員の子どもを見てもいいよという方は、どちらも参加できる「どっちも会員」という制度もあります。

お預かりの内容は、

  1. 保育所等開始前の預かり及び送り保育所等から迎えて預かり
  2. 学童終了後の預かり及び送迎
  3. 保育所・学校等休み時の預かり
  4. 保護者(家族)の病気や急用時預かり
  5. 塾・習い事送迎・保護者買い物等外出及びリフレッシュ時預かり他

になります。

一番多いのは、保育園等や学校の開始前の預かりと送りです。

例えば、幼稚園に通うお子さんの場合、幼稚園の受け入れ時間とお母さん方の出勤時間に隙間が生じる際の依頼もありますね。特にお子さんがいるから働けないなど、子どもの存在が親の社会活動の妨げになってほしくないんです。お母さんたちも社会で思いっきり活躍してほしい、女性の応援団という気持ちです。

女性の社会進出が進んでいる中で、働くお母さんたちのためにファミリーサポートセンターのような事業は必要性があると思います。家庭だけで子育てするのではなく、地域みんなで子どもを見守ってくれていると思うと、安心できますよね。より多くの子育て中のお母さん・お父さんたちに知ってもらい、利用してほしいです。

病後児預かり・宿泊預かり事業は実施センターと未実施センターがありますので確認のうえ利用してください。

【2】子育ての手助けをしてほしい「おねがい会員」とは?

「おねがい会員」は20~40代の方々が多いです。子どもはできたけど、まだまだ働きたいという世代ですね。中には10代の親もいるというのが沖縄の特徴です。

ファミリーサポートセンターは市町村の事業ですので、まずは自分のお住まいのセンターで会員登録をしていただきます。ここは沖縄市にありますので、利用者は沖縄市在住か在勤の方ですね。預かる子どもの年齢は、0歳児~おおよそ中学生まで。それから、預かる前に事業の説明と会員登録を行います。お話しを伺い事前打ち合わせ後に活動となります。

お母さんたちの中には、「今すぐ利用したいのに、事前に打ち合わせをするのは面倒」という方もいらっしゃいます。その気持ちもわからなくもないですが、「大事なお子さんを預けるのですから、どんな人に預かってもらうのか、子どもも親もお会いして、顔見知りになって預いてからの利用が安心ですよ」と話します。サポーターの安心感も違いますからね。

保育園の送り迎えも、きちんと保育園の先生に紹介しないと困らせてしまいますよ、って。

【3】子どもを預かる「まかせて会員」って?

「まかせて会員」は主に40代後半~60代の方々が中心です。子育てがひと段落して、地域社会に参加したいと希望される方が多いようです。

「まかせて会員」は事前に育児に関する講習会を受けてもらっています。しっかりとした講習内容ですので、皆さんびっくりされますね。受講料無料ですし、クリアすることで自信にもつながると考えています。中には自分の子育ての時に知りたかったことが詰まっている内容だ!とおっしゃる方も。

地域活動参加に不安をおもちの方は、是非講習会を受けて「まかせて会員」になってほしいですね。育児に携わる楽しみや、「ありがとう・・」という言葉を受ける喜びは、日々の活力になりますよ。また、有償ボランティアですのでサポートした結果が目に見える形で返ってきます。それがやりがいにつながるかと思います。

地域の人同士が助け合っていくという姿勢が、この事業の特徴です。

 

【4】素敵な取り組みですね。この事業をはじめようと思ったきっかけは何だったのでしょう?

元々は2000年に沖縄市で保育サービス講習会を受講し、「保育サービス てぃーだ」のグループ活動を開始したのがきっかけです。地域力や家族力の低下、都市化進行等、急激な社会環境の変化があり、既存の子育て支援の仕組みだけでは間に合わなくなっていると感じていました。

そして「保育サービス てぃーだ」の活動から約3年後、沖縄市に活動実績を報告、理解を得ることができ、沖縄市ファミリーサポートセンターが誕生しました。

当時はこういった保育サービスが沖縄県になくて、いつでも地域で子どもを預かる仕組みは「親を甘やかす・専門資格がない者が預かるなんて・・」とバッシングされました。子どもはもちろん親が育てるものですが、大きく変化している社会情勢の中で、親だけの責任という「子育て感」では母親の負担が大きくなり孤立させてしまい、少子化の進行は免れないですよね。

ファミリーサポートセンター開始から17年余、今では私たちの活動の重要性が再認識されていると感じています。

 

【5】利用されている方はどういった方が多いですか。

仕事と育児の両立のための利用が大半です。どの家庭も似ているようで違っていますから、その家庭にあったサポート活動が求められています。最初の相談は、障がいがある子どものいる家庭で、上の子の通院時に下の子を預かってほしいということでした。

他にもダウン症の子の保育園送り迎えのサポート活動もありました。家庭によって事情は本当に様々です。お母さんが病気、精神的に不安定、ひとり親家庭や10代出産家庭など。

最近は高齢出産も増えているので、「お風呂に入れるだけでも手伝ってもらえませんか?」や「お婆ちゃんも忙しくて頼めないので・・」「子育ての不安感を聞いて・・」等のご相談もあります。

 

【6】この仕事のやりがいを教えてください!

大変なこともありますが、喜びも楽しみも多い活動です。小さなこと(活動)に大きな愛をこめて、出会いが生まれ支え合っていく(信頼関係ができる)喜びがあります。

私はアドバイザーとして依頼するおねがい会員と提供するまかせて会員の橋渡しの役割を担っていますが、多様化・複雑化するサポート内容に苦慮している実態がありますね。そういった中で様々な要望を聞き、適切なサポーターにつなぎ、相互援助活動ができた時、やりがいを感じますね。

また、信頼関係が生まれたことで、昔お世話した子どもや関わった家庭が再び顔を見せてくれることがあります。その時は本当にやっていて良かったなと思います。

例えば10年前にここでお世話した子が、高校に入りましたとお祝いを持って来てくれたこともありました。他にも本土から転勤で来た家族が、沖縄にいる間、ファミリーサポートセンターを利用し、地元に戻った後も沖縄を第二の故郷、私を「沖縄のおばちゃん」と慕って、来沖してくれたり、ハガキや手紙をくださる方も多いです。

そういうことがあるので常にモチベーションは上がりっぱなしです。時々、苦情も言われますが、それも糧にして励んでいますね。

 

【7】利用されているご家庭のエピソードなどを教えてください。

  一番初めに利用された方はダウン症の子で、お母さんに事情があり、親子通園や保育園送迎ができないため、保育園の送り迎えのサポートなどを行いました。

他にもダンス教室に通っていたお母さんがいて、自分の親や周りには、「ダンス教室に行く為に子どもを預けるなんてワガママ」と言われたようですが、「ファミサポを利用して教室に通いインストラクターの資格を取って仕事に繋がったよ」との嬉しい報告がありました。

 

【8】これからの課題はなんでしょうか。

私達の課題は、子どもを預かる「まかせて会員」を増やすことですね。ただ子どもが可愛いだけでは成り立たない、長時間の講習会やスキルアップ研修会受講の必要性・家族の理解や環境整備も必要となるため、なかなか増えない実態がありますね。おねがい会員は増える一方ですが・・。家庭的保育事業や一時保育事業・病(後)児保育・夜間保育(学童)事業が増えることも望んでいますね。

逆にどういったきっかけで会員が増えるのかというと、会員が友達をつれてきたりする口コミが多いですね。おねがい会員さんが、うちの隣に住んでいる人に預けたいからその人を連れて登録に来たこともありました。周りの人に声をかけあって取り組みに参加して下さることが嬉しいですね。

大切な子どもを預かるということで、尻込みされる方も多いと思います。万一のために、ファミリーサポートセンター補償保険があり、自動的にかかるようになっています。お子さんが怪我したり大人が怪我させられたり等、色んなことが想定されていて安心活動のための制度は整備されています

 センター全体の質の向上を図ることも課題ですね。

  

【9】今後の目標について教えてください!

ファミリーサポートは、社会の変化によりニーズが高まった事業で、センター機能の充実と体制づくりが望まれています。ニーズは高まっているけど、どこの市町村もまだまだ体制整備が不十分という実情があります。

例えば、アドバイザー及びサポーターの質向上のために、専門性を向上させていかなければいけない。私は保育士ですが、ファミリーサポートセンターは保育・幼児教育という観点だけでなく、いかにして地域還元していくかという目的を持った活動であり、保育園等とは違った専門性が必要です。

コミュニティソーシャルワークやファミリーソーシャルワークの視点が求められ、繋がる力を高めていきたいなと思います。

沖縄県全体の課題としては、有償ボランティアとして1時間600円を基準に報酬設定していますが、経済的貧困家庭の利用者への配慮が必要です。そこで『てぃーだ基金事業』というNPO法人の事業があります。

支払いが困難な家庭に対して、チケットを発行し、子育て家庭を応援する仕組みです。親の経済状況に左右されない環境づくりを通して子どもの健やかな成長と権利を守ることを狙いとしています。

沖縄県の中でも沖縄市の会員が多い理由は、ひとり親家庭支援制度やNPO法人が実施しているてぃーだ基金やファミサポ相談室事業で手厚いサポートをしているからだと思います。お子さんのいるご家庭や、興味を持った方は、ぜひ地域のファミリーサポートセンターの会員になってほしいですね。地域の和を実感するとともに、子育ての楽しさや奥深さを知ることができますよ。

子育てを社会全体で担う仕組みとしてファミサポ事業が充実発展することが望みです。