社会福祉士の仕事内容

社会福祉士は精神・身体に傷害がある方、あるいは環境上の理由で日常生活を送るのが困難な方のサポートを行うお仕事です。

社会的弱者の立場の方たちの相談に乗り、適切なアドバイスや指導を行いつつ関係施設と連携し支援を行います。

相談の対象者は「高齢者」「障がい者」「ひとり親家庭」「児童」「DV家庭」「低所得者」など幅広く対応をするため様々な相談に対応できる知識が必要になります。

基本的に働く職場によって対象者は分類され専門的な対応を行うことが多いですが中には広範囲のサポートを行う職場もあります。


ヒアリング

相談の際には相談者の抱えている悩みをヒアリングし、問題点を分析します。

この時のヒアリング内容に認識のズレが生まれるとその後の提供するサービスにも相違が発生してしまいます。

そのため聞き取りの際にはできるだけ詳細に行い、ズレを解消する必要があります。

相談者は不安な精神状態であることが多いため、親身になって相手の不安を取り除くコミュニケーション能力が大切です。

また相談は施設内で行うこともありますが、自宅に訪問しヒアリングを行うケースもあります。


問題解決方法の提案

その後、問題点を解決するための方法や介護サービス、福祉サービスなどを相談者に提案します。

相談者にとっては知らないことも多いため、内容を理解してもらうためにも分かりやすく丁寧に説明することが求められます。

そのため相談の機会は1度とは限らず、何回かに分けてじっくり解決することも多いです。


関係機関との調整

提案内容が受け入れられた場合は、その受け入れ先となる関係機関との連絡や調整を行います。

ヒアリングした内容をもとに関係機関へ情報を提供し、受入状況の調整などを行います。


定期的な訪問やヒアリング

サービス提供後のアフターケアも社会福祉士の大切なお仕事です。

実際に受けているサービスが適切なのか相談者にヒアリングを行い、場合によっては別の提案なども行います。


社会福祉士になるには

社会福祉士は国家資格で介護福祉士・精神保健福祉士と合わせて福祉系三大国家資格と呼ばれています。

社会福祉士の資格受験を取得するには以下の3つの方法があります。


A.福祉系の専門学校・短大・大学での単位取得

福祉系の学校で必要な指定科目の単位(18科目)を取得することで社会福祉士の受験資格が得られます。

ただし、4年未満の学校の場合はその差の期間分の相談援助の実務期間が必要になります。

それぞれをリストで説明すると以下の通りとなります。

・福祉系4年制大学で指定科目(18科目)を取得・卒業

・福祉系3年制短大で指定科目(18科目)を取得・卒業+1年の実務期間

・福祉系2年制短大・専門学校で指定科目(18科目)を取得・卒業+2年の実務期間


B.短期養成施設での修了

短期養成施設を9ヶ月で修了することで受験資格が得られるルートです。

ただし短期養成施設に入学できるのは、以下の方のみとなっています。

・福祉系4年制大学で基礎科目のみ(12科目)を取得・卒業

・福祉系3年制短大で基礎科目のみ(12科目)を取得・卒業+1年の実務期間

・福祉系2年制短大・専門学校で基礎科目のみ(12科目)を取得・卒業+2年の実務期間

・社会福祉主事養成機関を卒業+2年の実務期間

・行政職での4年の実務期間


上記の社会福祉主事養成機関とは社会福祉主事を養成するための施設で、指定を受けた学校を卒業することが条件となります。

また行政職とは児童福祉士司、身体障害者福祉司、査察指導員、知的障害者福祉司、老人福祉指導主事の5つを指します。


C.一般養成施設での修了

一般養成施設を1年~1年半で修了することで受験資格が得られるルートです。

上記A・Bとは違い福祉系の学校卒業していなくても受験資格を得ることができます。

入学条件は以下のとおりです。

・一般4年制大学を卒業

・一般3年制短大を卒業+1年の実務期間

・一般2年制短大・専門学校を卒業+2年の実務期間

・相談援助の実務期間4年


社会福祉士はどこで働けるのか

社会福祉士は幅広い対象者に対してサービスを提供するため就職先も色々な施設があります。


高齢者を対象とした福祉施設

高齢者を対象として働く場合は、介護老人保健施設や老人ホーム、デイサービス施設などでの勤務となります。

入居する際の面談から入所手続きまでの業務のほか、入居者からの生活や不安に関する相談を受けます。

また入居者の家族からの相談などにも対応し、必要があれば関係機関との情報連携や調整を行います。

老人ホームで働く社会福祉士は生活相談員と呼ばれています。


障がい者を対象とした福祉施設

障がい者を対象として働く場合は、障がい者福祉センターや身体障害者デイサービスセンター、精神保健福祉センター、グループホームなどがあります。

身体障害、知的障害、精神障害など障害の種類によって色々な施設が存在し、それぞれの施設によって業務が変わってきます。

障がい者施設で働く社会福祉士は生活相談員、生活指導員、支援相談員などと呼ばれています。

利用者の自立に向けて人が生きる上で必要な衣服の脱着、食事、入浴などを支援を行うほか、職場で行う作業の指導を行います。

また生活をする上での不安や相談にのり利用者と一緒に解決方法を導きます。

その他にも高齢者施設と同様に入所に関する手続きや家族からの相談にも乗るなどの業務もあります。


児童を対象とした福祉施設

児童を対象とした福祉施設では、児童相談所や学校・学童などで働きます。

児童相談所では障がい、虐待、非行、いじめ、不登校など様々な問題を解決するための施設が多く存在します。

それぞれの問題に対して対象となる児童、あるいは児童の保護者も含めて聞き取り、相談の上解決方法を導きます。

また解決の際に学校や関連施設と情報共有を行い連携しながらサポートを行います。

学校などでの勤務ではスクールソーシャルワーカーと呼ばれ、学校で起こるいじめや不登校、非行など問題を抱える児童や家族を支える業務などがあります。

学校で正職員として働きたい場合は公務員の試験を合格する必要があります。


ひとり親を対象とした福祉施設

ひとり親を対象とした福祉施設では母子・父子福祉センターや母子生活支援施設などがあります。

ひとり親ならではの経済的な悩みや子育てに関する悩みなどをヒアリングし解決方法を提案します。

生活の安定と向上を目的として、技能の習得や社会保障に関する情報の提供などを行い支援を行います。

子供に関する悩みなどでは教育関連機関を連携し問題解決に向けて努めます。


地域住民を対象とした福祉施設

地域住民を対象とした施設としては県や市区町村などの役所、社会福祉協議会や地域包括支援センターなどがあります。

地域に住む方々が対象となるため年齢層や性別、国籍だけでなく抱えている問題が様々なため最も対象範囲が広い職場となります。

それぞれの悩みや問題について相談に乗り、多くの解決方法や施設の中から最適な提案を導かなければなりません。


医療施設

医療施設で働く社会福祉士は医療ソーシャルワーカーと呼ばれています。

患者さんの悩みや問題点の相談を受け問題解決に向けての提案を行うほか、医療に関する手続きや救済措置(医療費支援・免除制度)などの情報提供を行います。


社会福祉士の仕事で役立つ資格・スキル

認定社会福祉士・認定上級社会福祉士

社会福祉士の資格の上位資格として認定社会福祉士や認定上級社会福祉士というものがあります。

認定社会福祉士は社会福祉士として実務経験を5年以上積むことで受験資格を得ることができます。

試験では社会福祉士として学んだ知識を更に深堀りするとともに、人材育成などのリーダーシップ性や高い技術を求められます。

また認定社会福祉士のさらに上の資格である認定上級社会福祉士では認定社会福祉士取得からさらに5年の実務経験を積むことで受験資格が得られます。

受験内容についてもさらにハードルは高くなっており取得期間、難易度ともにかなり高いものとなっています。

資格を取得することで社会福祉士として十分な知識と経験を得ている証明になるため、転職の際や評価において即戦力・管理職候補としての注目度が上がるでしょう。


まとめ

社会福祉士の仕事は社会のセーフティーネットとして社会的弱者の支援を行う重要な業務となります。

幅広い対象者について深い知識と適切な判断力が要求されますが、とてもやりがいのあるお仕事でしょう。

また福祉系の学校で学んでいなくても道がある国家資格ですので、途中からのキャリアチェンジも不可能ではありません。

また社会福祉士の資格をすでにお持ちの方も上位資格が存在しますので、自分自身のキャリアアップに挑戦してみるのも良いかもしれません。


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